人が一人通るには細すぎる道を行き、衣服が枝に引っ掛けられるのを無視して進めば簡素な小屋に行き着く。
小屋というには大きいが、屋敷というには小さすぎる。
けれど小さくとも造りは良い。
そんな建物だ。
そこへ向かってがさがさと騒がしく細い道を抜ければ、今日はその建物の前に女が二人立っていた。
この屋敷に住まう者達にしては派手な衣を纏い、髪は綺麗に結ってある。
そして整った顔立ちには化粧が施されており、町ですれ違えば何人も振り返りそうな器量の良い娘達である。
が、幸村にはそんなもの関係なかった。
「んなっ何故ここにお主らのようなおおお女子がっ?!」
驚きも相俟って声が裏返る。
「し、城への使いか?ここは草屋敷と言って忍が詰めておる屋敷故、所要なら案内するが…っ」
動転している時の幸村にしてはまともなことを言えた方だ。
しかし女二人はころころと笑いながらこんなことを言った。
「ふふふ、幸村様。私達がお分かりになりませんか?」
「ちょっと着飾っただけでその反応は嬉しいですけどねぇ」
「?????」
にっこりと笑いかけてくるその顔を直視できず、思わず顔ごと背けて考え込む。
こんな風に名前を呼ばれるなら知り合いだろう。しかも「分からない?」と聞かれるくらいなのだから、着飾っていなければ普通に分かるくらい親しい者だということだ。
そして場所が場所だ。
そこで幸村ははっとした。
「まさか…、千夜と桔梗か?!」
「ふふ、正解です」
「正月くらい着飾ってみようという話になりまして」
そうやって笑った顔は、確かに幸村の知る千夜と桔梗の顔だった。
少数といえど腕利きが揃っている忍隊のくの一たち。
彼女達がこうやってまともに着飾っている姿は初めて見るものだった。
いつもは女への耐性が皆無の幸村のために、男のような格好をしている。体形を隠すような装束に身を包み、髪も男のように無造作に纏められているだけだった。
それと今の姿と見分けろ、と言うのはこういった事に不慣れな幸村には無理な話だった。
「お…驚いた。お前達もそのような格好をすることがあるのだな」
「あら?幸村様が知らないところではこんな格好で仕事をすることもあるのですよ?」
ひたすら珍しそうにしげしげと着物を見ている幸村に向かって、笑って言ったのは千夜だった。
こんな格好で仕事、というのが何を表しているのかは言うまでも無いが、幸村ならこの言い方でも見当がつかない。
だから千夜は笑って言える。
この世に落とせぬ男は無いと豪語する彼女は、千の夜とかいて「ちよ」と読む。
昔は自嘲的に笑って名乗ったものだが、そんな可愛げなど今はもう無くしてしまった。
それでも幸村の前でその一面を見せないのは、彼女なりの矜持だった。
あらゆる意味で、幸村は特別なのだ。
しかし今日は仕事ために着飾ったのではない。女同士きゃぴきゃぴと楽しむために飾ったのだ。
そこに幸村が新年の挨拶から抜け出して乱入するとは思っていなかったが。
「幸村様…」
未だあの面倒な新年の挨拶行事は終わっていないはず、そう思って千夜が問いかけようとした瞬間、幸村が口を開いた。
「何か食べるものは無いか?」
「はい?」
くの一二人が目を丸くして固まった。
食べ物はある。確かにある。この草屋敷には厨も設えてあるし、ちょうど昼時のためもうすぐ米が炊き上がる頃合だ。
しかしまさか正月に主から食べる物を所望されるとは思っていなかったのだ。
「あの、幸村様。城の方で何も召し上がられていないので?」
いくら挨拶がどうのこうのと忙しくとも、正月料理が振舞われているはずである。
こんなところで腹を減らしているのは問題外だ。
「一応朝から色々口にしてはいるがな…あのように見た目を整えたちまちました料理は性に合わぬ。温かい握り飯が食べたい」
「そうですか…」
くの一達は諦めた。
腹が減ったとこの大切な主が言うのならば取るべき行動は一つである。
華麗な衣を翻し、ことことと音を鳴らして厨まで走ると、そこでせっせと昼餉の準備をしている者へ握り飯を拵えるよう言付けた。
ついでに具は梅干、小魚の煮付けなど等全て中身を変えるよう厳命する。
怪訝な顔をしながらも頷いた飯炊きであったが「幸村様が口になさるものよ」と言った瞬間張り切って、焼きおにぎりが追加された。
何げに可愛いところのある飯炊き係だ。
それに満足して戻る際、一つ思いついて少々寄り道してある物を手にした。
「幸村様」
それを手に二人が幸村の許へと戻れば、目ざとい幸村はすぐに気付いた。
「何だそれは?」
「出来上がるまで時間がございますし、羽根突きなどどうですか?」
「羽根突き?」
「ええ、せっかくのお正月ですし」
そう言って千夜が幾つかある板の中で一番綺麗なものを手渡した。
「羽根突き…か、どうも童子の遊びのようで気恥ずかしいのだが…」
幸村は一応受け取ったものの、気が進まないのか困ったような表情をしている。
ここで無理強いなど忍ごときがするはずもない。
「あら、そうですか?では…」
他に何か気晴らしになるものでも無いだろうか、そう千夜達が逡巡したところで空から声が降ってきた。
「旦那見つけたぁぁぁぁっ」
更に本人も降ってきた。
しゅたっと身軽な動きで見事着地し、猛然と幸村まで駆け寄ると息継ぎなしで捲くし立てる。
「ったくちょっと目を離した隙にこれだよ!せめて誰かに言ってからにしろっての!じゃねえと迷惑すんのは下の連中ってこと分かってる?!っていうか何で草屋敷!しかも衣がちょっと破れてんじゃんかぁぁぁぁぁっ」
頭を抱えて最後は絶叫した佐助に、幸村だって負けじと言い返す。
「そう思ったからちゃんと上着は脱いで来ただろうが!」
「上着も何も関係あるか!正月に着るような上等な衣を破くなんて論外!」
「破くとまではいってはおらん!…精々少しほつれた程度だっ」
「だーもうっ!あんたがそんな狡い言い訳思いつくなんてっ!俺様悲しいっ!」
がくりと佐助が項垂れたところで、くの一二人が控えめに声をかけた。
「あの、長…?」
そこで初めて存在に気付いたような素振りで佐助がくの一二人を見ると、険しく眇めていた目を緩めて、やんわりと微笑んだ。
「おーお前ら珍しいじゃないのそんな恰好!似合ってる似合ってる。いや〜眼福だね!」
さっきとは打って変わった穏やかな様子に、幸村は言い返そうと思っていた言葉を思わず飲みこみ、喉をぐぅと鳴らす。
そして幸村とは違ったまっとうな賛辞の言葉を貰ったくの一二人は慣れた様子で「ありがとうございます」と微笑んだ。
この台詞を幸村が言っていたら大騒ぎになっていただろうが、佐助ならば問題ない。
「普段もそんな恰好だと俺様も楽しいんだけどねぇ」
「なっ佐助!破廉恥であるぞ!」
「あーはいはい…」
案の定顔を赤くして怒鳴った幸村を佐助が適当に宥めると、次の瞬間には顔に悪戯っぽい笑みを浮かべて幸村にこう言った。
「どうせ旦那のことだろうし、褒め言葉の一つも言ってないんでしょ?その分俺が褒めるから。うん可愛い可愛い綺麗美人!町であったら十人が十人振り返るね!」
「む、む、むぅ…」
何か言い返さなければと言葉を探す幸村だが、こういう話題に関しては言い返しても余計に状況が悪くなるのは見えている。
しかしこんな風に佐助にからかわれたままでは気分が悪い。
そう思った幸村は、くの一二人に向きなおり、しかし直視することは出来ず視線を落とし、消え入りそうな声でこう言った。
「き…綺麗、だぞ」
途端、くの一二人が顔を真っ赤に染める。
さっきまでの余裕の態度はどこへやら、視線を彷徨わせおろおろし始めた。
「おいおい…俺様の時と態度違いすぎない?」
「いえ、その…」
「ど、どうしましょう長」
くの一二人も、自身のあまりの狼狽っぷりに困惑しているようだ。
艶やかな化粧を施した顔に情けない表情を浮かべ、佐助に指示まで仰いでしまっている。
その様子が酷く頼りない。
「あーもー旦那ぁ?あんたが珍しいこと口にするからこいつら真っ赤になっちゃってるじゃないの」
「おっお前が先に言いだしたことだろうが!」
「いや、だとしてもね。せめてもうちょいあんたらしく“綺麗な着物だな”とか的外れな褒め言葉にしといて下さいよ」
「そっそんなもの俺が知るか!」
すっかり動転してしまっている幸村は、何気ない様子で言われた失礼な言葉にも気づかない。
しかしくの一の方はその失礼な佐助の発言のお陰で冷静さを取り戻したのか、少々呆れた目で佐助に視線をやっている。
その視線に気づきつつも佐助は笑い、ぱちんと手を鳴らすとこう切り出した。
「はい、そんじゃ程良く怒鳴ったからちょっとはすっきりしたでしょ?そろそろ城戻んない?」
「うっ…」
確かにぎゃいぎゃいといつもの調子で騒いだお陰で幸村の気分は多少すっきりしている。
しかし熱を欲している胃袋は満足していないし、体を動かした訳でもないのでまだまだ物足りない。
戻らなければいけないことは分かっているが、もう少しここにいたい。
どう考えても戻るという方向に気分は向かず、幸村は苦し紛れに手に持ったままだった羽子板を構えた。
「…まだこれをやっていない」
「……。」
その分かりやすい言い訳に佐助が騙される筈もなかったが、無理やり連れ帰っても幸村がそのうち噴火するのは目に見えていた。
佐助は賢明にも沈黙を守り、その羽子板とくの一達とを見比べる。
そして不敵な笑みを浮かべ、こう言った。
「へーえ、お前らまだ懲りて無かったの?」
「…??」
これに首を傾げたのは幸村だ。
羽子板を見てこんな挑発的な言葉を佐助が言う理由が思いつかない。
しかしくの一二人はそうでなかったらしい。
朱を刷いた唇に弧を描き、白々しい笑みを浮かべながら手に持った羽子板を構えている。
「羽子板がどうかしたのか…?」
考えるのを諦め幸村が問いかけると、佐助が楽しげに笑って「まぁ見てなよ」と幸村が手にしていた羽子板を借り受けゆったりと構えた。
「ただの童子の遊びと思えばそりゃまた大間違い。忍の手にかかれば羽根突き一つもこうなるのよ」
どこか芝居掛かった口調でそう佐助が告げた瞬間、千夜がどこからともなく羽根を取り出し、ひゅん、と空を切る鋭い音を立てて羽根を打ち据えた。
その音を幸村が認識した瞬間には、既に佐助が打ち返しており、動作に遅れて音だけが追いかけてくる。
そして音が動作より遅い、と思った頃には千夜が打ち返しており、佐助もまた打ち返す。…その繰り返しだ。
音だけ聞けば、かかかかかかかかかか…と等間隔に固い音だけが鳴り続けているように感じる。
しかしその間にも両者は目にも止まらぬ速さで羽子板を操っている。
因みに羽根は視認できない。
「お…おお…!!」
その常人離れした動きに幸村が感嘆の声を洩らすと、佐助が幸村の方へ振り向き話始めた。
「初めは板切れと小石でやってたんだけどね、それなら羽子板でやっちゃえって事になって偶にこうやって打ち合いしてんの」
そう言っている間にも打ち合いは継続中だ。
佐助は手元も見ていないというのに素晴らしい正確さで羽根をしっかりと捉えている。
余裕綽綽といった様子の佐助に千夜がむきになって打ち返している。
「どうせなら桔梗も入っちまえよ、お前程度じゃ大して変わらねーし」
「その言葉、後悔させて差し上げます」
売り言葉に買い言葉。分かりやすい挑発に素直に乗ってきた桔梗は、凄まじい速さで行われている打ち合いの中に見事に加わった。
それでも打ち合いの速さが衰えることはない。
「くっ…今年こそ長の額に肉の字を…!!」
「私は頬に渦巻き描いて差し上げますっ」
「あーそういや去年俺ってそんなことやったっけ」
「……。」
どちらかと言えば寡黙な印象を忍隊に対して抱いていた幸村は、こっそり行われていたらしい馬鹿騒ぎに思わず沈黙した。
全力で羽根突きをやって墨で顔に落書きされている忍を思い浮かべようとしてもうまくいかない。
「あーそういや去年は挑んできた奴ら全員の頬に渦巻き描いたわ」
「二度敗れた者には髭も追加されておりましたよっ」
「くの一は眉毛つなげるだけにしてやったじゃないの」
「……っ!!!」
佐助があっさりと告げた衝撃の事実に、幸村は愕然とし、くの一はうっかり手元を狂わせてしまった。
呆気なく空を切る羽子板。
そして鈍い音を立てて地面にめり込んだ羽根。
「…あらら」
意図していたわけではないが、佐助の言った言葉が精神攻撃的な威力を発揮したのは明白で。
佐助は困った表情で頬を掻いた。
空ぶった体勢のまま固まってしまっているくの一、桔梗は顔に浮かべた笑顔を引き攣らせている。
去年受けた屈辱がでか過ぎたらしい。
「佐助…、なぜかここに墨と筆が用意してあるのだが…」
知らない間に忽然と出現していたその存在の事を幸村が口に上らせれば、桔梗ががっくりうなだれた。
言いたいことを体全体で表現している。
「こ、ここで四の五の言う気はございませんっ…、さぁっひと思いにっ!!」
うっすらの涙を浮かべたまま、きっと顔を上げた桔梗は佐助に向ってそう言った。
去年頬に渦巻き、眉を繋げられたであろう顔をだ。
その男気に深い感銘を受けた幸村だが、いやいやそんな場合ではないと自分に言い聞かせ佐助を見る。
すると佐助も幸村を見ていた。
そしてこんなことを言う。
「旦那が書いてやってよ」
「は?」
「だから旦那が書いてやって。折角だし」
何がせっかくなのかまるで分らない幸村だが、呆けているうちに背を押され、筆を握った状態で桔梗の前に立たされれば後に引きにくい状況となってしまっている。
「お、おいっ俺はやるとは言っておらんぞっ」
「まぁまぁ、勝ったの俺様だし。それにこいつも四の五の言わないって言ってただろー?」
「だっ、だが…っ」
幸村が困惑して桔梗の方を見れば、ぎゅっと目を瞑ったまま微動だにせず直立している姿が目に入る。
いつでも来い、という感じだ。
「む…むぅ」
ますます後には引けない。
とりあえず握った筆を構えて見るものの、綺麗に化粧を施した顔を目にすればもう駄目だ。
自然と視線が明後日の方へ向いてしまい、まともに顔を見れない。
「お、女子の顔に落書きなど…」
「んじゃ手で良いんじゃないの?」
幸村の後ろから佐助が手を伸ばし、袖に隠れていた桔梗の手をとり幸村の方へ引っ張った。
男と違い、細く白い腕が露になる。
「う…」
またも視線を泳がせた幸村だが、勝負の結果、堂々とその敗北を受け入れ、粛々と落書きを受け入れようとしている桔梗のことを思えばここで躊躇うのも酷い話だ、そう思って幸村は黒々と墨を浸された筆先を伸ばした。
そしてさらさらと一つ文字を書く。
「よし、出来たぞ」
一仕事終えたような達成感を滲ませ、幸村は息をつくと、その瞬間背後で佐助が噴き出した。
「なっ何だ?!」
驚いて幸村が振り向けば、体をくの字に折り曲げ佐助がひぃひぃ腹を抱えて笑っている。
「おい、佐助?!」
へらへらと締まりない笑いなどはよく目にしているものの、ここまで大きく声を立てて笑う様だのほとんど見たことはない。
あまりの珍しさに幸村が驚きの声を上げれば、佐助が笑いながら途切れ途切れに何やら言っている。
「あ…あんたっ何書いてっ…!ひっ、もう最高!」
「そんな可笑しなものは書いておらぬはずだが…」
佐助の大笑いの理由が分かっても、どうも腑に落ちない。
同意を求めて視線を千夜の方へ移せば、くすくすと楽しげに笑っている。
「む…お前もか?」
佐助は他の忍より幸村と近しい。
砕けた態度も他の者より余程多く見せるし、話す言葉も内容も親しげなものが多い。
だから佐助がけらけら笑っいたとしても、他の者が同じ反応を示すとは限らないのだ。
しかし今回はそんな幸村の打算を打ち砕き、千夜まで楽しげに笑っている。
つまり、幸村の行動が何かおもしろいものだったということだ。
「桔梗お前は、…桔梗?」
幸村が思わず二度も名前を呼んでしまったのには理由がある。
視線の先には腕に書かれた文字をじーっと見たまま動かない桔梗がいる。はっきり言って少し不気味だ。
しかしその表情からは残念なことに何も読み取れない。
「ききょ、」
「旦那、気にしなくていいって。喜んでるだけだから」
「は?」
幸村が聞き返せば、さっきの笑いの余韻かどこかまだ息の荒い佐助がこっそり耳打ちする。
(あんたが書いた文字でしょ?うちの連中なら誰だって泣きながら喜ぶから)
「そ…ういうものか?」
敗北による落書きが思わぬ方に転んで幸村は困惑する。
しかしよくよく見れば桔梗はじーんと言った感じの表情で腕に書かれた文字をじっくり眺めているように見える。
本当に喜んでいるのかもしれない。
「しかも文字が“寿”!!あーっもうおっかし…!駄目だっまた笑いがっ」
そう言ってまたしつこく笑い始めた佐助を、幸村は軽く小突いて諌めた。
「正月なのだからそれくらいでちょうど良いだろう!めでたいではないかっ」
「だから面白いんだってばっ」
「意味がわからん!」
「良いの良いのっ!ほら、次は俺様が千夜を負かすからそん時はまたよろしくっ」
「え、おいっ」
文句を言う暇もなく、佐助はまたあり得ない動きで羽子板を操り、神速と言ってもおかしくはないほどの羽根突き合戦を再開してしまった。
仕方なく口を噤んだ幸村は、もやもやと晴れない疑問を意識する前に目の前の見事な動きに目を奪われてしまう。
どうせこれが終わる頃にはそろそろ良い匂いの漂い始めた厨から、いくつもの握り飯が届けられるのだろう。
それを一緒に食べたら、佐助にひと勝負申し込もう。
そう思って幸村は握る筆に力を込めた。
次も書く字は『寿』だと決めて。
その数刻後、草屋敷には佐助に敗れ去った忍達が大量に出現することになる。
昨年までは各々忍とは思えぬほどの滑稽な顔に打ちひしがれている者達で溢れかえっていたが、今年は皆一様に幸せそうな顔をしていたらしい。
因みに佐助の方は、全戦全勝という快挙を成し遂げたものの、幸村の渾身の一撃により羽子板を粉砕され、嬉々とした表情で頬に猫髭を描かれていた。
「俺様だけ何でこれ?!」と悲鳴を上げた佐助だったが、忍隊の熱心な希望により、幸村が良い笑顔で顔に落書きしたとのことだった。
城に戻ってもどこかへ潜んで頑なに姿を現さなかったことは言うまでもない。
そして信玄の呼び出しだけは拒否できなかったことも言うまでもない。
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あけましておめでとうございます!
ついに2009年、今から色々楽しみですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
多分この後佐助、お館様に爆笑されると思う。