■影追い唄 あとがき
やっとこさ完結しました。
四か月弱とか…予定の何倍だろう。テキストの長さもとても長くなってしまいました。
六月の時点では長く見積もって20話だったんですけど、結局27話。うーん。
それはさておき、最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました。
途中見苦しいところも多々あったでしょうし、変な表現や、見逃している誤字脱字やら…。
それを思い起こせば身がすくみますが、そんなテキストを読んでくださり、しかも今現在こんなあとがきまで呼んで下さっててありがとうございます。
何ぶん長いテキストなので、自分で張った伏線など、回収し忘れていたり、もしくは言葉が足りていないかも…。
そう思ったので、解説という名の言い訳を書かせて貰います。
気が向いたら脳内補完の足しにでも読んで頂ければ幸いです。
●事のはじまり●
一番初めは『現代真田主従と戦国真田主従が会うことになったら笑えるだろうなぁ…』という思いつきから派生しました。
そしてその後は『佐助より幸村が先に死んだらどうなるんだろう』→『後を追うんだろうな』→『じゃあ後追いを禁じられたら?』→『あ、真っ暗な感じの未来しか思い浮かばない』→『現代幸村に清算してもらおう』→『影追い唄書こう』という流れでした。
短くまとめると、後追いを禁じれた忍を死なせてあげる話…。なんていう身も蓋もない内容に。
ですが、やっぱりハッピーエンドが好きなので、幸せになってほしいなぁという思いを込めて書いていくとこんな話になりました。
次から説明不足のところの補完を書きます。
・幽霊騒ぎ
近畿、中部から南方面を中心に広がっている噂です。
大坂の陣の後、佐助が逃げたのは南方面という設定でした。
理由は北には独眼竜がいるから。
佐助の変化の術って物凄いと思いますけど、もしかしたら幸村の永遠のライバルな筆頭には見破られるかもしれないし、見破られなくとも知られたらそれこそ物凄い勢いで追いかけてこられそうなので、南ルートをとりました。
そしてその幽霊騒ぎ、猿田:真田の比率は7:3くらいで人に見られています。
佐助が化けてる偽物な猿田は、ある意味本当に本物っぽいので、これは真田幸村だ、と人の記憶に残ります。
そして幸村は幽霊担当(笑)。ぱっと現れてぱっと消えて、必ず佐助のいるところの近くに現れるので、幽霊騒ぎになったのでした。
一応一説では幸村って九州に落延びたってのもあるようですし。
で、ちゃんとは書けなかったんですけど、佐助が猿田になってた理由。
徳川への腹いせもありますが、真田幸村の名前というか、存在だけでも生かそうとした。って設定でした。
どこにその文を入れて良いか分からなくなり、書けませんでした。
・死んだ時の記憶が微妙な現代佐助(9話)
初めの方の現代佐助は、幸村が死んでからの記憶が曖昧です。
理由は、幸村は死んだはずなのに、幸村の死後にも幸村がいるっていう説明のつかないおかしな記憶がところどころにあるからです。
異世界トリップしてる幸村と出会った記憶がほんのちょこっとだけ残ってるんですね。もう本当にうっすらとだけですが。
幸村を先に亡くしたはずなのに、自分(佐助)が死ぬ直前まで存在してるし、「あれぇ?」って。辻褄があわなくて混乱している感じです。
…っていう設定(笑)
・17話で幸村が元親にしたお願い
妙なところで切ったから変に強調されてしまいました…。
幸村はこのとき「次の戦に俺も出して下さい」ってことと、「佐助も貸して下さい」っていうのをお願いしました。
大坂の陣で主を守り切れずに死なせてしまったっていう十字架を背負って佐助は生きてるので、戦で幸村を守り切って死ぬ、っていう大義名分が必要かなぁということでこんな流れに。
幸村はそこまで考えているかどうかは決めていませんが、何となく野生の勘(笑)で感じ取ってるという方向です。
・寝ている佐助が起きない訳(19話)
ありがちなのですが、幸村があっちに行っている最中、こっちにいる佐助は夢の中でそれをなぞっています。
記憶が徐々に戻っている。っていう表現になりますが、幸村があっちで過ごしてる分しか記憶が戻らないので、日々やきもき。
そして分身作って変化させて、佐助本体も普通に学校行って。
放課後は分身消して、本体が変化して真田家に帰宅して、幸村の振りして過ごして。
そんでたまにきつくなったら「佐助の家に泊まりに行ってくる」とかいう理由付けて佐助宅へ。
で、術を完全に解いて思う存分寝る→19話の佐助です。
なので疲れ切ってて起きなかったわけですね。しかも夢では幸村が忽然と消えたところを思い出している訳ですから、寝顔は苦しそうです。
初めは起きている方向で書いていたんですが、あっちでもこっちでも佐助と幸村の別れを書いていると、私のボキャブラリーが足りなくて全部同じようなシーンになるから…。
そんな裏事情も含み、佐助は起きませんでした。
・現代佐助視点が一つもない訳
一番の理由が、背景の色に困るからです(笑)
視点ごとに色分けなんてしちゃったせいで、同一人物だけど生きている時代が違う人をどうするんだよ。という問題が起きました。
解:片方を書かない。
あと、最後の方まで戦国の佐助のほうをメインで考えたかったので、途中で現代主従が仲良くしてると戦国佐助が可哀想なことになるので、最後にとっときました。
ですが、19話の後の現代佐助が気になる、というお言葉をいくつかいただいておりますので、おまけでまた書けたらいいなぁと思います。
あと、毛利視点のみの話がないのも背景が問題です。(何で緑なの)
長々と書きましたが、多分これくらいだったかと…。
説明が要らないくらいちゃんと本編で書けてたら良かったのですが、うーん力不足。
他にも「あれ、ここよく分からない」というところがありましたらお知らせ下さいませ(汗)
それでは長いあとがきになってしまいましたが、読んでくださった方々、どうもありがとうございました。
それでは機会がありましたら、また。
(09.9.3 朱美)